ずぼパリ 商品が生まれるまで

通販生活 プリーツショール ずぼパリ ノウハウが生まれるエピソード

ずぼらでもパリコレ 小川タカコです。

「洋裁を自宅で学べる動画の講座を作る」

そう言ったら、みんなが笑いました。
洋裁を教えるのに、マンツーマンでつきっきりでも相当な時間と労力がかかるのに、どうやって動画だけで教えるんだと言うんです。

ミシン屋さんも腹を抱えて笑い転げて、しまいには気でも狂ったのかと本気で反対して、私の精神を心配してくれました。

私がこれまでのキャリアと経験を、動画とテキストに落とし込んで教材を作ろうと考えたのは、2016年のことです。

PTSDを発症

私のことをご存じの方は、今更な話題かもしれませんが
2011年のPTSDで2012年の秋に倒れ、2013年に私は自己破産をしました。

一生の仕事と決めていたミシンの前に立てなくなるのは、ビックリするほど極端でした。
「木枯らし一号が吹く」と報道されたその日、いきなりミシンが怖くなり、数日で布団から出ることもできなくなってしまったのです。

自分を鼓舞させ仕事に没頭して、一家を食べさせるためにけん引をしてきた、半世紀の人生です。
被災で宮城から東京に戻って、さあこれから仕事をバリバリやるぞと思った2012年でした。

不眠症になって何年も経ってたのですが、2012年の夏は何をしても眠れず、昼間は泥のように眠いのに仮眠もできず。

一体どうしたらいいんだろうと、健康飲料など飲んでみたりしてごまかしていたのですが、木枯らしが吹いたとたんに、(ああ!あの寒い冬が来るんだ!)とすくみ上ってしまったんです。

仕事ができないことは激しくショックでしたが、パニック症状で冷や汗がダラダラ流れる症状が強くあり、計算が全くできなくなりました。
極端な話ですが、7+9が幾つなのかも答えられない状況に陥ったのです。

ほんとうに自分は終わったと感じました。

被災の時

2011年3月11日。
宮城県は吹雪でした。
大規模半壊で居住していた我が家の賃貸物件は、壁が崩れ落ちるなど、大規模半壊してしまいました。

10年以上住んだその賃貸物件は、引っ越した時から雨漏りがものすごく、揉めにもめた挙句に屋根と壁を修繕したのが幸いしました。
同じ時期の同じような建築方法のお宅は、ゾウが膝をつくように屋根の重さに負けて、メキメキとへし折れ倒壊していました。

屋根のセメント瓦を取り除き、トタン屋根に改善して、屋根の重みがなくなった押し入れや扉が浮き上がり閉じられなくなって困ったものでしたが、それが10年後の被災の時に幸いして、倒壊せずに済んだのです。

人生何が幸いするかわかりません。

仮設住宅の方々と、通販生活のショールを生産

たまたま仮設住宅がすぐ近所にでき、通販生活のオファーをいただき、10月までその壊れた家で仮設住宅の方々と事業を継続しました。

通販生活 2012年秋冬号通販生活 2012年秋冬号
生産の第一回の納品日が、9月末でした。

自分の仕事をしながら、傾いた倒壊寸前の家で、強い余震におびえながら仕事をつづけたのは、心に恐怖の傷を残しました。
余震の怖さ、緊張は東京に帰ってきた希望で胸ふくらむ私を、呆気なく叩き壊してしたのです。

その時のことはまたいつか書くとして、2016年に私は奮起しました。

次回に続きます。

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