ミシンが特殊なことに、気が付いてない
ミシンが安いから、
ミシンに慣れないから…
いっそミシンと気が合わない…
などなど、ミシンが思うように動かせない嘆きは多く耳にします。
当店は洋裁の勉強会を何度も行うようになって
それらの問題の大きな原因に気が付きました。
すごく簡単なことなのですが、
ミシンという機械を扱うという視点があると
いろんなことが理解しやすいと考えて勉強会を開催しています。
洋裁は4つの部署がある
服を作る洋裁は、特に一人で1着を全部完成まで行うのは難しいことです。
何故なら、
- 型紙は製図や型紙の知識がそれなりに必要
- 裁断は数字と生地の形状、性質を理解する専門性
- アイロンは縫いが酷くてもアイロンさえ優れていたら
相当にごまかせるプロの仕事が要求される - ミシンは経験則で応用をこなす熟練さ
服作りとは、全部の作業をそれぞれ独立したプロが行う、専門家たちのチーム戦なのです。
Aの型紙さん
デザインを型紙に起こすことを含むか含まないかはとりあえず脇に置いて
縫い合わせる場所のすべて、出来上がりの寸法を合わせて適切な縫い代を付ける必要があります。
Bの型紙さん
型紙の情報を生地に反映させる仕事で、いい加減な仕事をすると
服が完成しない悲劇が起きます。
Bさんが完成への運命を握っていると言って過言ではありません。
Cのアイロンさん
縫ったものを美しく整える重大な役目があり
アイロンが上手にできていると、ミシンも不思議にトラブルが起きません。
Dのミシンさん
この人が、決定的な仕事をこなす技術が必要なキーパーソンとなります。
ミシンが重大かつ必要不可欠なキーパーソンである訳
先に述べた
A,、B、Cさんの3人と
ミシンを扱うDさんとは、大きく明らかに異なるのですが
何がそれほどまでに違うのか、あなたにはわかりますか?
Aさんは、紙にペンと定規(メジャーも使うかも?)で作業をします。
Bさんは生地をハサミやカッター、裁断機などで切り離します。
※この切り離す作業がめちゃくちゃ重要なのですが、その話は次回に。
Cさんは、アイロンで準備をしたり、ひっくり返したり、整えたり、多種多様です。
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Dさんはミシンを踏んで、ミシン針とミシン糸が布を縫い合わせる作業を行う人です。
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さあ、この違いはどこにあるでしょう?
とっても大きな違いなのですが、
あまり意識していない人が多いかもしれません。。。
Aさんはほぼ、手仕事です。
もちろん型紙をいまどき、手で書く人なんていないと言われちゃうとそれまでなので
ご家庭で行う場合をここでは考えてください。
そもそもご家庭で縫う方へのメッセージですから♡
Bさんは生地を地の目の通りに、
織り目が縦横の方眼に正確に整うように置いて
型紙を生地がずれないように設置し、大きな生地から必要なパーツに切り離します。
この切り離すときが、超重要な作業となります!
ここに製作される作品の運命がかかっていると断言できます。
デザインや、製図がいくら良くても、裁断が台無しだったら作品も台無しです。
Cさんのアイロンは、手先の動きと見て判断する機転というか、工夫がいかされる部署です。
言われたことをやるのではなく、積極的に生地に適した工夫を織り交ぜて、
今までの経験をフル回転させます。
Cさんの工夫が、ミシンの作業を楽にして、完成度を高めてくれるのです。
上記の3つの部署と、
ミシンのポジションにいるDさんと何が違うというのでしょうね?
ミシンの仕事
ミシンが行う作業の大部分は機械に依存しているということです。
ミシンは精密機械なので、
様々なところを微調整して生地に適した強さに改善できます。
ミシンを上手に扱うには、生地に合わせた調整が得意になる必要もあります。
ところがその一方で、ミシンが動いているときに人間がやれることは
- 押え金の下に生地を挟む
- ペダルなど踏んで縫う
- 生地が適切に進むようにミシンのサポートをする
- 縫うのを止めて押え金から外す
書くとバカバカしくなりますが、このくらいしかできることがありません。
ペダルを踏むとミシンが勝手に縫っていくだけなんですね。
針に触ったら、ケガするのは人間です。
回転するカマに触ることすらできないし、触ったら大けがしますね。
ミシンはミシンだけで完結しています。
ミシンはサポートがないとめちゃくちゃになる
こんなにミシンの作業って
ミシンが支配してて
人間がやることなくて
ミシンに依存するなら簡単じゃない~~~~
チャチャっと済ませるのが好きなチャコさんが言うように
もしミシン任せでキレイに縫えたら、どれだけいいのかわかりませんよね💦
機械がほぼ全部の作業を支配しているのですが
ミシンは上下の生地を正確に縫い合わせるために働く機能をもちません。
- ミシンは押え金でギュッと上から押さえ付け
- 下にはかなり痛い送り歯というギザギザが回転して
- 生地を奥へ進めていきます。
構造的に、上にある生地は押さえつけられて前に追いやられ
下にある生地は送り歯がひっかくので、奥に進みやすくなり。。。
通常の作業で、上下の生地はズレて縫い合わされるように働くのがミシンなのです。
ミシンに対する人間のサポートとは
ミシンのなすがままに、生地がめちゃくちゃになっちゃうというわけではなく
人間がミシンのトラブルを察知して、
トラブルが起きないように上手に動かしてあげると
ミシンはたとえようもなく強い味方です。
ミシンをサポートするために、何ができるのかというのは
今後に書いていくとして
大事なことは
- 上下の生地がズレないようにコントロールする
- 送り歯が生地を傷つけないようにする
- 生地を伸ばしたり縮めたりしないで縫い合わせる
基本的にミシンへのサポートはこんな感じですが
①にしても、そもそもズレるものをズラされないようにするのって
実はすごく大変です。
②は厚みがあったり、
傷つきやすい生地は送り歯でケガをするので
生地が傷つかないように十分に注意します。
③生地を縫うときに、伸ばしたり、縮めたり
生地が切り抜いた時の形を保って縫われてないから
形にならないことが多くあります。
書いて表現できない神経の使い方を、ミシンの作業では行っています。
ミシンは縫うだけじゃないのに、他部署のヘルプは無理
上記したように、ミシンの作業をするDさんは
ミシンと格闘するのが仕事です。
へにゃへにゃ縫えてしまう生地なら、きりっと縫わないとなりません。
厚くてゴロゴロする部分は、中の縫い代をそぎ落として
快適な着心地になるように注意をしなけえればなりませんし
神経を使った厳しい戦いをして勝利を目指すのです。
それはもう、F1レーサーがコーナリングに命を懸けているようなものです。
レーサーが命がけで走るのに、コックピットのスタッフが
この程度やったんだから、いいよね~~
もしも、この一見好青年に見えるスタッフさんが
見かけによらずすごくいい加減な仕事をするとしたら…
レースが無事に終わるのかさえ定かじゃありませんよね!???
コーナーのギリギリを攻めて追い抜きをかけたいのに
スタッフが調整をサボった分をハンドルさばきで加減するなんて
絶対にムリだと思いません?
実は服作りで、それと同じことをしているから
まち針がたくさん必要だったり
しつけ縫いなどしなきゃならなくなったりします。
それでも、ハンドルさばきで車の整備不良が改善しないのと同じように
裁断や型紙のいい加減な仕事をミシンでヘルプすることは不可能です。
人生や達成感と充実度で決定する
服を縫うのにトラブルが起きても、そんな大きな問題にならないかもですけど
やっぱり貴重な人生の時間を費やして、完成しないとか不毛なミスなど
楽しくないことは、できるだけ少なくした方が面白く時間が楽しめます。
やりがいと達成感ほど、人生を楽しくさせるものはないと私は思うんです。
いろんな価値観で生きて全然いいし
どんな生き方も価値があると思いますが
私はどうしてもこういう姿勢から逃れることができません。
充実して達成感がある作業をしていると
とても幸福度が高いです!
服作りは短くても3~5時間くらい。
長かったら1週間とか使うかもしれないです。
その長い時間を、迷ったり悩んだり
縫ったのをほどいては縫う、その繰り返し…
そういう忍耐力をわざわざ限界まで試すような服作りをして
結果がもっさり歪だったりして
もちろんそれが悪いとかではないですが
私は貪欲なので、時間が無駄になるくらいなら
ゴロゴロしたり、好きなことをゆったりしたり
アウトドアスポーツで思い切り遊びたいです。
縫ったりほどいたりするだけの時間が繰り返されるのはすごくつらいです。
やるなら、時間内で終わらせたいし
当店の縫い方を習った人全員が
「私がやったんだからキレイにできて当然よ!」
こう言える、そう感じる
そういう縫い方をお伝えしたい!
私はそう考えて教材を作っています。
Zoomハンドメイド無料勉強会のお知らせ
勉強会は120分です。
- 何をしたら完成度が上がるのか。
- どうしたら成長速度があり得ないほど高まるのか。
などなど、お話をします。
お悩みや質問もお聞きして、その場でお答えします。
当店の勉強会、教材に向かない方
このままでやってても、何とかなるからいいかな~
ちゃちゃっとやって、器用なんだけど
正確さを要求されるとドン引きするチャコさんです。
こういう性格の人は、私の教材とはたぶん違う世界なので
勉強会は苦痛になるかもしれません。
当店がご提供する勉強会、教材に向いている方
少しめんどくさいことがあっても
私の美意識を服にするの!
ヌエルさんのような人は、最初は上手でなくても
ゴールのイメージが明確で、自分意識が高いため上達が早いです。
どうやったら、攻略できるのか
考えるのが好き。
工夫してキレイに縫えるなら
効果的な工夫のしかたを教えて!
ハテナさんは、悩むと止まってしまいますが
納得して進むことができるとガンガン突き進める強さがあります。
悩んで答えを探そうとする意欲の強い性格の方は
多くの情報が必要で、それを整理して自分のものにしていく
洋裁、服作りに適した性格だと言えるでしょう。
- ゴールのイメージがはっきりしている人
- 理論的にクリアして成長したい人
- いまの自分はできなくても、習ったらできると自分を信じている人
- 他責しない方
このような方に向いた内容です。
洋裁(ハンドメイド)勉強会 開催期日
勉強会のお申込みはこちらからお願いします。
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こちらは小川タカコ公式LINEのURLです。
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