ミシン縫いが上手になりたい方は、型紙と裁断をとにかく正確に!

この記事のテーマ
ミシン縫いの上達に必要なのは、何よりも正確な型紙と正確な裁断です

私が服作りを学ぶ方にぜひお伝えしたいのは、‟ミシン縫いの上達に必要なのは、何よりも正確な型紙と正確な裁断である”ということ。ミシン縫いの上達に型紙や裁断が関係あるの?と思われるかもしれませんが、これが大ありなんです(動画の方がいいわ~という方は「型紙や裁断がもたらす恩恵~服作りが確実にうまくなる~」をご覧ください)。

私は “ミシン縫いの技術をどんどん高めていただきたい”、“自分の力をすべて出し切って美しい服を作る醍醐味をみなさんにも存分に味わっていただきたい”と思って講座を運営しています。そのためにどうしてもお伝えしたいのが、型紙や裁断の正確さがミシン縫いの技術上達には必須であるということです。

あなたの服作りのゴールはどこですか?

皆さんがミシン縫いの上達を志す理由は“自分にもこんなに素敵な服が作れるんだ!”という喜びを感じたいからではないでしょうか。これまでの服作りにそういう喜びがあったからこそ、もっと大きな喜びを感じたくてまた次の一着を縫いたくなるのだと思います。

そのときにご自分のゴールをどんな風に考えていらっしゃいますか?服作りにご興味があるという点は同じでも、“こうなりたい”というゴールは皆さん違うはずです。「とりあえず家の外に着ていける服が自分で作れればOK」という方もいれば、「それ本当に作ったの?すごいね!すてき~」と言われたい方もおられるでしょう。いずれにしても、今よりもミシン縫いが上達すればゴールに近づくことができます。

ちなみに私自身は「実力をすべて出し切って一着を縫いあげる達成感を感じること」をゴールにしています。ここはあのやり方でできたはずなのに前の経験を生かせなかった、くやしい!などと感じることなく、一着一着を縫いあげるごとに全力を出し尽くしたいのです。

つまり、一着縫うごとに確実に技術を身につけてレベルアップしていきたい、次に縫いあげるときは絶対に今以上でありたいと考えるのが私ですし、そういう想いを持つ人たちを応援したいんです。だからこそ「ずぼらでもパリコレ」で皆さんのために服作りの情報を発信し続けています。

技術を身につけるって何をすることなのでしょうか

そもそも技術を身につけるとは何をすることでしょうか。何か新しいことをやってみると、最初は失敗するものです。失敗には原因があり、解決すべき課題があります。その課題を解決したいと思ったら「なぜ失敗したのか」「次の失敗を防ぐにはどうしたらいいか」を考え、うまくいきそうな仮説を立てて実行し結果を検証する必要がありますね。

このプロセスの繰り返しが「技術を身につける」ことだと私は考えています。ですから365回講座は、服をキレイに縫うための講座ではありません。“服作りの課題解決方法をお伝えする講座”なのです。なぜ失敗したのか?と原因を追求し、問題を突き止める。そして次はこうすればうまくいくと仮説を立て、実際にやって検証する。うまくいくまでこのプロセスを繰り返すことでしか技術は身につかないからです。

失敗には様々な原因がありますが、たとえば縫いしろの寸法を間違えたり、裁断のときカーブが膨らんでしまったりなどのミスが先にあって、ミシン縫いの段階で裾線がズレる結果になり初めて表面化する場合もあります。その段階では初心者の方ほど生地やミシンの扱い方に原因があるように見えるので、型紙や裁断に原因があることに気づかないことも珍しくありません。

これでは何十着洋服を縫ったところでミシン縫いの上達は望めませんし、ミシンで失敗するたびに毎回型紙と生地を突き合わせるのでは効率も良くありません。縫ってほどいて、を繰り返したらプロが縫っても服の出来上がりはパッとしないものです。

そんな悲しい状況に陥ることなく確実にミシンの技術を身につけるには、失敗の原因をきちんと分析し確実な解決策がすぐに見つかる状況を作ってからミシン縫いをすることが大です。

型紙と裁断が正確でないとミシン縫いのトラブルが多くなります

正確な型紙作りと正確な裁断ができていれば、ミシン縫いでつまずいたとき原因を探す手間がぐっと減ります。生地のせいなのか、縫いが悪いのかなど生地やミシン縫いの手の使い方に絞って原因探しをすれば大丈夫です。

でも、もし型紙の曲線部分の縫い代がきちんと1㎝幅になっていなかったら?新聞紙で型紙を作っていたら?縫い代は布に直接印をつけて裁断していたとしたらどうでしょう?もしもこういった方法がミシン縫いのトラブルの原因になりうると気づかなければ、いくら生地やミシン縫いについて確認しても原因がわからないままです。

型紙や裁断までさかのぼって原因探しをすることに気づいたとしても、型紙と型紙を突き合わせて寸法や合印をチェックし、さらに生地に型紙をあてて正確に裁断や印つけができているかチェックし…となると手間が格段に増えます。こんな手間が何度も何度も続いたら服作りが嫌になってしまうと思いませんか?せっかく手間暇とお金をかけて作るのですから、服作りがもっと楽しくなる工夫をしましょう。

そのために「型紙と裁断が正確でないとミシン縫いの課題は解決できない!」ということを理解していただきたいのです。逆にいえば「型紙と裁断さえ正確にできていれば、ミシン縫いの課題は解決する!」のですから、やらない手はありませんね。

型紙づくりと裁断を正確に行うことには大きな意味があります

正確な型紙づくりや正確な裁断をきちんと習得していただくことは、ミシン縫いの土台として本当に大切なことです。

もしあなたの友達が“プロテニスプレーヤーになりたい”と言って古びたラケットを手に河原の石ころだらけ、草だらけのコートで練習しているとしたらどんなアドバイスをしますか?

“プロになりたいならいいコーチに基礎からきちんと教わらなくちゃ、設備の整ったコートで練習したほうがいいよ”と言うのではないでしょうか。服作りだって同じことです。

シルクとかポリエステルの薄い生地やベロアなど難易度の高い生地でも服を作れるようになりた、えっこれ本当に縫えるの?と言ってもらえるような難しい素材でも挑戦できる自分を育てていきたい、そういう風にあなたが願っているとしたら、プロテニスプレーヤーにとってのコートにあたる部分が型紙や裁断だと思ってくださいね。

型紙をきちんと作って正確に縫い代をつけ、型紙どおりに裁断してから縫うことそこをきちんと習得していただくことが試合(ミシン縫い)の土台として本当に大切です。当店の動画はあなたの最高のコーチになれる内容ですし、どんな道具や環境が必要でそれらをどう服作りに生かせばいいか、「ずぼらでもパリコレ」がすべてあなたにお伝えします。お伝えしていることをきちんと実践していただくと、どんどん試合がうまくなって技術が身についていきますよ。

正確な型紙を作るために365回講座でお伝えしている方法には、5センチ四方のマスが印刷されている専用の用紙を使うこと、縫い代込みの型紙を作ること、型紙に合印をつけること、縫い代の寸法を正確にすること、AはA同士寸法が合う型紙を作ることなどがあります。

また、裁断はロータリーカッターではなくはさみで切ること、縦横の布目をきちんと整えた状態で裁断することなどもお伝えしています。こういう説明をすると、皆さんからは「わざわざ用紙を買わなくても」とか「ロータリーカッターでも切れるから」、「どうして布に印をつけて切ってはいけないんですか?」などの反応を時折いただきます。

型紙や裁断にお金や手間暇をかけること今までと違うやり方をすることへの違和感があるのかもしれませんね。それはもっともなことだと思います。「そんなこと難しくてできない」「プロだから手間暇かけてできるんですよ」とおっしゃるのもわかります。お気持ちは非常によくわかりますが、それでもやってみていただくと、必ず効果を感じていただけるはずです。

正確な型紙作りと正確な裁断こそミシン縫い上達への近道です

ミシン縫いの技術は、色々な生地で服を縫う経験を積み重ねることによって磨かれていきます。毎回素材が違いますから、少しの違いが意外なトラブルや失敗になって表れるものます。そんな時でトラブルを大きな失敗にしない方法や、自分で原因を突き止め解決策を見つける方法を365回講座でしっかりお伝えしています。

ミシンで縫うのが難しい素材はたくさんありますが、実際には素材そのものよりも裁断がいい加減なもののほうが縫うのは難しいです。縫製工場では、裁断がいい加減な生地を「これでは縫えません。プロとしての力が発揮できません」と裁断しなおしてもらったこともありました。

正確な型紙できちんと裁断された生地を縫う経験を重ねると、正確な縫い代の感覚が身につき、技術の習得と蓄積が確実にできていきます。そしていつも正確な縫い方をしているからこそ、何か間違えたときすぐ気づくこともできるようになります。

1着縫うごとに自分は確実にミシンの扱いがうまくなっている、そんなことを感じながら服作りができるなんて最高じゃないでしょうか。“裏返すとここがうまくいってないんだけど見えないからまあいいよね”と街を歩くのと、“プロからみたらまだまだかもしれないけど、これが今の自分の力を出し切って縫いあげた服よ!”という達成感を胸に歩くのとでは満足感が全く違うはずです。正確な型紙と正確な裁断こそミシン縫い上達へのファーストステップであることは間違いありません。

これからもあなたのお洋服であなたの人生の歴史を創り、ご自身らしさを満喫してください。「ずぼらでもパリコレ」はいつもあなたのそばで応援しています。

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