こんにちは。「ずぼらでパリコレ」洋裁が自宅で学べる365回講座の小川タカコです。
切りびがないと服が作れないと思い込んでいる人も多くいます。
習った先生がオートクチュールの専門だったというケースだったり、学校でも切りびで教える学校もあります。
切りびで困るのは、邪魔な癖に縫いたい時には落下してしまって、せっかくの印がどこなのかわからないというジレンマですよね。
切りびのジレンマは針を変えろ
切りびはどうしても落下してしまうものです。
これはもう、しょうがないものですが、かといって切りびが無くなったことで、生地を型紙と合わせ、大事な印を付け直すって大ごとです。
しかも、裁断するときの完全にセットした状態にはならないので、生地と型紙を一度でも離してしまったら、正確な印を付け直すことはほぼ不可能と言えます。
既製品とオートクチュールは違う縫い方
私は縫い代を完璧に整えて、ノッチ(縫い代の合印の場所に切り込みを入れる)だけで縫う、既製品の縫い方をお伝えしています。
市販の安物ではなく、百貨店の上の方にある、プレタポルテの縫い方が私の専門です。
オートクチュールをやりたければ、縫い方を覚えてからでも遅くはないし、型紙の理解もしないうちから、何もオートクチュールのような専門的な知識をねじ込まなくても良いと考えています。
オートクチュールは既製品とは違う縫い方をします。
それはオートクチュールは専門的な高級志向だからです。
あなたが何を縫いたいのか、考えて習う先生を選んでいますか?
オートクチュールのように洋裁店を構え、顧客のオーダーにお応えしたいという夢が有るなら、オートクチュールを習うべきです。
またはお店のオーダーを縫う職人さんも、オートクチュールな縫い子さんがいます。
あなたがもし、ご自身の服や家族、知人の服を縫いたいとお考えになるから、それはどんな出来上りの服でしょう?
オートクチュールのような洗練され、縫い直しが可能で、世紀を超えて展示されるような高級品ですか?
それともこざっぱりしたファッション性や夢を現実化するためのお洋服でしょうか?
既製品も上中下があり、上物を縫える技術は高く評価されます。
あなたの求めている世界を、もう一度見直してみてはいかがでしょうか。
切りびはオートクチュールで多く使われる
切りびの話に戻りますが、オートクチュールでも切りびは多く使われます。
ところが、私どもの既製品では、切りびは使いません。
切りびには、時間がかかる、面倒、落下してなくなるなど、欠点が多くあるから量産工場では適しません。
消えにくい色の印をつけます。
私はサンプルで自分一人で全部を縫う「丸縫い」が専門なので、ダーツなど必要なところは必ず切りびを使います。
それは何故かというと、サンプルは見本なので、きちんと指示通りの縫い方で、出来上がったところを見てデザイナーさんがOKかどうかを判断してもらいたいからです。
ダーツの長さ、位置が狂っていては見本(サンプル)をわざわざ作った意味がなくなってしまいます。
でもサンプルは時間との勝負ですから、切りびが落ちてなくなってしまったくらいで、スピードを落としたくありません。
「切りび」と「切りびが落ちても平気な状況」の両面を兼ね備える方法はないか探しました。
切りびは針の大きさで頼れる印になる
切りびを打つための針の太さ、形を変えることを思いつきました。
コットンや化繊、薄手なら動画の切りびのやり方で、頼れる印になるでしょう。
私も実際に動画の切りびの方法で何年も生産してきました。
ウールなど厚地の場合は、そもそもが切りびも抜けにくいので、あまり苦労しません^^
針は、まつり縫いなど手縫いをするための針は、針の穴も細く、丸いままの形をしています。
これだと、針の穴が直ぐに生地と馴染んで、針を通した傷も残りにくいように、考えられているからです。
上の画像で左が、この針で空けた穴です。
そこで刺繍う針のような、針の穴が平らに太くなっている針を切りびに使ってみますと、針の穴の耐久力が数段違ってきます。
つまり、針を通したことで、生地にダメージが残っているのですが、生地をこするとやがて消えて馴染んでいきます。
このタイムラグを使って、サッサと縫ってしまいましょう♪
切りびの穴を探せば、何も切りびがなくなっても困らない
動画でも説明していますが、切りびが落ちてなくなってしまっても、困らないのは針の穴が残っているからです。
切りびを打った場合は、切りびの落下を防ぐために、なるべく生地に負担がなく、こすらないようにし触る時間も短時間にします。
こすられることで針の穴も消えてしまいますので、あなり手で持たないこと、かごに入れて移動するなど対策をしましょう。
では、動画で残りは解説しますね。
コメント