004洋裁を変える「地の目」とは

ぶきっちょシリーズ

洋裁の極意:ハンカチ作りと生地の向きについて

こんにちは、皆さん。ぶきっちょのパリコレ 小川タカコです。

今回は、あおいちゃんと一緒に洋裁の深淵に迫ります。

前回は上下の生地のズレが意図的に行われることで衿やポケットの蓋が作られるというお話をしました。

今回は、さらに細かい技術について掘り下げていきます。

まず、前回お話ししたように、生地の上下を3ミリから5ミリずらして縫い合わせる技術があります。

この方法は高度なテクニックで、口頭で説明するのは難しいため、実際に手を動かして学ぶことが重要です。

しかし、そもそも生地が意図しないズレを防ぐためには「地の目を通す」ことと、ミシンが持つズレさせてしまう機能に対抗する手段を人間側が持つことが大切です。

これにより、生地が伸びてズレが発生するのを防ぎます。

 

生地の構造と縦糸の重要性

生地は縦と横の糸で織られています。

縦糸は生地の柱のようなもので、縦方向に強度があります。

洋裁では、縦糸に平行に裁断することで、伸びにくく安定した仕上がりが期待できます。

例えば、型紙には縦糸の方向を示す矢印が書かれており、これを基に裁断を行います。

生地の伸びを最小限に抑えるためには、地の目を通すことが重要で、生地の縦糸に平行に縫い目を通すことです。

地の目は生地の基盤になる存在なので、寸法が安定し、作業中の微妙な伸びによるトラブルを防ぐことができます。

小さなパーツと地の目の重要性

小さなパーツでも、次の目の方向を気にすることが重要です。

例えば、袖口の補強パーツ「ケンボロ」のような小さな部分でも、地の目を通して作ることで、形が崩れにくくなります。

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縦糸に沿った縫製は、パーツがしっかりとした強度を持ち、耐久性が向上するからです。

洋裁において、小さなパーツほど正確に作らなければならない理由は、作業中の微妙なズレが後々の大きな問題に繋がるからです。

例えば、袖の補強部分が少しでもズレて縫われていると、着用中に力がかかる部分で生地が裂ける危険があります。

 

 

 

実際のハンカチ作りと生地の歪み

ハンカチの縫製でも、地の目を通すことが重要です。

地の目が通っていないハンカチは、縫い目が斜めになり、見た目にも歪んでしまいます。

地の目を通すことで、縫い目が縦糸の上を通り、見た目も美しく仕上がります。

地の目を通していないと、縫い目のズレないようにする工夫も働きが悪くなり、結果としてハンカチの形状が歪んでしまうリスクがあります。

これを防ぐためには、縫い目が縦糸の上を通るように裁断から注意深く行うことが求められます。

耳の素材について

最後に、耳の素材についても触れておきましょう。

耳(エッジ)の部分は、通常、布の両端に当たる部分で、縦糸が密に織られており、非常に丈夫です。

 

耳の部分は縦の糸を強くしてあるため、10㎝から20㎝くらい、横の織り糸が歪んでいることがあります。

動画では言い足りてない、ゆがんだ場所の生地について

地の目を通すときは縦の糸を型紙と合わせ、このように横の糸が最初から歪んでいる場合は、そのまま使います。

生地は反物の状態になっているときは一番安定しており、水通しで表面についているノリなどを取り除き、アイロンで整えたすの状態になっているので、無理にアイロンで歪んでいる横糸を障子の桟のように直しても、生地は元の状態に戻ろうとしてゆがみが出るからです。

アイロンで強制的に直しても、一時的なものでしかなくその後の洗濯などで最初のゆがんだ状態に戻ってしまうと、型崩れを起こしてしまうのでゆがんだまま使うので、服なら脇側に来るように配置します。

常に耳側は服では脇に相当する目立たない場所にして、前中心など目立つ場所は生地の真ん中を使います。

 

今回の内容は以上です。次回もさらなる洋裁のテクニックについてお話しする予定ですので、どうぞお楽しみに。

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