こんにちは。「ずぼらでパリコレ」洋裁が自宅で学べる365回講座の小川タカコです。
地の目が生地の状態で曲がっているときは、生地の織り糸をアイロンで直すの?
地の目を通さないと自損事故になってしまうという記事をアップしたところ、複数名の方からご質問いただきました。
- 「生地に水通しして、アイロンで地の目を正四角形に整えるの?」
- 「地直しとは、そもそもどういう事?」
話が複雑になるといけないので、綿素材のときに行う水通しの方法について、先ずは説明します。
水通しの順番、方法
- コットンや天然繊維のものは水に浸けて乾くときに、縮むことが多いので、水に最初に浸けてしばらく放置
- 水に浸けて放置した生地を出来れば脱水せず、びしょびしょのままで竿などにかけて、影干しで半乾きにする
- 完全に乾かすと、シワしわになってアイロンが大変なので、少し湿り気が残るくらいでアイロンをし、完全に乾かす
これが水通しとか地直しなど呼ばれたりします。
アイロンの熱で収縮する生地を整えることを、地直しともいう
地直し、地伸しとは?
下記の動画は補足説明です
地直しとは下記の動画のように、アイロンの熱で収縮する生地の場合をさすこともあります。
ぎゅんぎゅんアイロンで小さくなる生地は、意外に多いので、注意が必要です。
生地が縮んでサイズと合わなくなったら、何のための労力かわからないですからね。。。(T_T)
水通しするのは生地を切る前に、収縮させるため
上記とは別に、水に通しても、アイロンをかけても織り糸が曲がっている場合があります。
この画像のように、横糸を通す手間をかけても、そもそもが曲がっている場合はどのようにするのかです。
横の織り糸を赤い線でなぞってみると、生地の中央から3cmも耳の方が下がっている(逆から言うと上がっている)のです。
結論から言うと、縦だけ通します。
地直し、地伸しは生地の在り方を優先
前回の記事のあと、複数名の方から質問がきました。
アイロンの蒸気と熱で、生地の織り糸が曲がっているのを無理やり直すのが、地直しですか?
いえいえいえ。
一番下にある動画の中で、無理に直したらどうなるかは、ご説明していますが、むちゃはダメです。
縫いが難しいパーツは、生地の中央を使うとリスクを減らせる
この画像のように、曲がっている耳に近い部分は、身頃の脇に使ったりして、作品の目立つ中央に来ないように設置します。
耳側に前中心を持ってくるという設置は、どんな時でも非常にリスキーなので、耳の近くで中央部分を取らないようにしましょう。
ミシンの大変なところ
衿なども生地の真ん中の安定している部分で裁断します。
カフス、ベルトも縦と横が、しっかり正四角形になっているほうが縫いやすいですので、耳の近くは避けます。
横方向に地の目も通してあるので、ベルトで縫いズレが起きたときに、縫っていて気が付きやすく、発見が早い方が乱れが出ないうちに縫いながら修復できます。
そう。
縫いながら加減をみて、トラブルにならないうちに修正する縫い方をします。
プロはあまりほどかないのは、修正しながら縫うからですね。
縫いが正しいか判断基準に使う
- 縫いの状態を判断するために、最初が正四角形になっている必要があります。
- 正四角形を維持して縫っていけているか
- ミシンの押え金の奥に、少したまったくらいで、すぐに確認
何度もタイミングを見て確認するのは、
織り糸の縦と横が、正四角形になっているかどうかです。
ひし形に歪んできたら、すぐに反対方向に修正の力を入れて、±0に改善してやれば、ごちゃごちゃになるまで持っていかなくて済み、トラブルにもなりにくいのです。
織り糸が正四角形になって裁断されて判断できる
地の目を通すということは、正四角形を維持して縫うという、とても大事な部分です。
逆に言うと、、最初から斜めになっていると、状況ができず、縫いが狂ってしまいます
スコバイ(少しバイヤス)になってて、
縫えないんだけどっっ!
がぉぉぉぉ!と、激しく怒られてしまいます。
小さい「っっ!」
イヤですねぇ。。。
スコバイじゃんか!と怒られるのではないんです。
毎日、すごい数の量を縫うプロの集団でも、少しバイヤスは縫うのは難しく失敗しやすいからです。
平身低頭、謝るしかありません。
どうかお許しください。どうぞ気を鎮めてください。
何とぞ、
裁断の失敗のリカバリーをミシンでお願いします。
何を言われても、そのように唱え、謝り、祈り、懇願するしかないのです(;^_^A
私はまだまだだわ!
裁断なんてキライよ!
1人でやるの、いやぁぁぁああああ~!
そうガッカリせずに、貴重な経験ですから、記憶するために役立てましょう!
失敗を記憶する
- ミシン担当者役になり切って、怒りの要素をありったけ言葉で言います!
- そして裁断をした自分が、平身低頭謝ります
- 何が悪いのかを謝り
- 悪かったことの謝罪もして
- ミシン担当者(自分)に自分で懇願して祈りましょう!
これを習慣にすると、何役もやるので疲れもしますが、客観的に状況判断が出来るようになるので、熱心にやればやるほど記憶に残ります。
そばで見ていたら不気味ですが、
- 自分で自分を叱り
- 自分で自分に正しく謝り
- その土壇場から自分でどうやって這いあがるのかを考える
このクセが付くと、ミシンが悪いとか、生地が悪いとかあまり考えなくなります
(立場を変えて役になり切って考えると、思考が忙しいから…かもです 笑)
言葉にして怒る役と、どうして失敗したか、なぜ縫えないかを言語にするのは、イメージトレーニングにもなります。
記憶するためのトレーニングだと思えば、ドラマを演じるのも面白くなりますよー^^
というわけで、織り糸に無理をさせないで、くつろがせた状態で裁断し、生地がどうゆったりくつろいでいると正しい状況なのかをしっかり目に焼き付けて、縫いの準備をすると良いのです。
裁断は人任せにしない
裁断を誰かに任せると、訳が分からなくて、生地に慣れるまで時間がかかります。
コストダウンはなぜ出来るでしょう?
大量に生産すると、工賃が下げられるのは、手が慣れるためです。
1点ものを縫う時は、全部自分でやった方がずっと上手くいきます。
生地のクセを理解しながら進めていくことが出来るからです。
では、動画をどうぞ。
あなたのミシンlifeが素敵なものになりますように。
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