パイピングを理論的に考える

パイピング ねじれ パイピング

パイピングとは?

パイピングを説明する前に、パイピングとは何かを知ってください。

パイピングのドレス

このドレスは衿ぐりも袖ぐりもパイピングで縫われています。
パイピングは生地を斜めに裁断したテープで縫い代の先端を包んで縫う方法の事です。

縫い代の先端を包むので、どのような形にも対応し、ギャザーなど生地が寄った状態でもデザインができる万能選手がパイピングです。

パイピングドレス2

こちらも同様にパイピングを使って甘い雰囲気を醸し出しています。
形状にとらわれずに形にすることができるのでパイピングはドレッシーな形のデザインに最適な縫製方法であるため技術を駆使するとこのようにテクニカルなデザインにも使われます。

ところがパイピングには厄介な現象が付いてきます。ねじれです。

パイピング ねじれ

画像を拡大してみると、衿ぐりも袖ぐりにも縄がねじれたように、テープに横のシワが入っています。
つまり高度な技術者が縫ったものか、雑な縫い方をされたものなのかが仕上がりではっきり出てしまうのがパイピングの怖さです。

パイピングはなぜねじれる?

パイピングを縫うとねじれ現象が起きてしまうことが多くあります。ねじれが強くなりすぎると、表側と裏側が大きくずれて、縫うことができない状況にすらなってしまうことも。。。

パイピング スタイ
パイピングのねじれ


このスタイはひどくねじれながらも、何とか縫い合わせるのに成功?していますが…

パイピング失敗例

パイピングでは裏側のテープがたるみ過ぎて、縫い合わせることがミシンでは困難になってしまうことが多く起きます。パイピングの裏側は、「手縫いオンリー」という方もいます。ミシンで縫うことを最初からあきらめて、手縫いで縫ってしまうという選択。確かに時間の使い方としては間違いなく完成になっていくので、有効な縫い方にも思えます。
高級な服では手縫いが多く使われるので、間違った選択ではなく正しい選択と言えるでしょう。ただし、手縫いを美しく見せるのは、相当な熟練さが問われ、うっかりすると素人丸出し感がでてしまうリスクは否めません。
スタイの強いねじれ、たるんで縫えなる状況、どちらも歓迎したくないし、できうる限り回避したいものです。

パイピングのねじれを回避するために

斜めに裁断するテープは、このように生地の織り糸を格子状に整えてテープの型紙と直角、または少し斜めに設置して、
直線で裁断します。

この様に生地を斜めの輪にしたところにハサミを入れて、裁断する方法をすると厄介な問題をスタートの時から抱え込む
ことになります。

左の生地が直線で裁断したもの。
上に乗せた生地は、輪にハサミを突っ込んだ生地の織り糸の状態を比較してください。

生地が左右に凸凹と揺れています。これがゆがんでいく原因になります。

パイピングに使うテープはできる限り、直線で裁断され、直線が狂わないようにアイロンをかけてあることが縫いをたやすくして、完成の仕上がりをも良くしてくれます。
パイピングの素材を変化させることでデザインの幅をかわいい系から、ドレッシーなものまで幅広く、自由自在に扱えるのがパイピングの魅力と言えるでしょう。

左右のズレと歪み、ねじれ…パイピングをせっかくしても、これでは品質がダウンして残念な作品としか感じられなくなりますね。
 
パイピングをねじれないで縫うために条件を5つにまとめて解説しました。ぜひこちらの動画の情報を共有してください。

パイピングを助けるバイヤステープづくりを

バイヤステープがねじれる原因、構造のことなどを理解したら次はバイヤステープをねじれないように自作するやり方についてです。

バイヤステープを正確に作ると、パイピングを縫うときに助けになってくれますし、ストレスフリーな縫いができると、余裕ができます。
アイロンでできなかった不備を、ミシンで縫うときに修正するような作業は、縫いを低下させ、仕上がりが劣化する最たる原因になります。

ミシンで縫う作業は、集中が途切れないように、縫いの作業だけできるようにほかの作業では整えてあると、ミシンがこんなにも楽なものだったのかと思われることでしょう。
どうぞ、こちらの動画でバイヤステープの正確さを追及すると何が起きるのかを知ってください。

パイピングの出来上がりとテープの幅の関係

パイピングをする上で考え方や条件などご理解いただいていよいよ具体的な作業に入っていきましょう!
バイヤステープを正確に作る方法があることを知ったのですがでは、バイヤステープの幅はどのように考えたらよいのでしょうか?

6ミリのパイピングの幅を縫おうとする場合あなたはバイヤステープをどのくらいの幅で裁断しますか?

パイピングの幅とは、つまりパイピングが表から見える幅のことをいいます。この上にある画像では、6ミリ幅のパイピングということになります。
では6ミリ幅のパイピングをするときに、バイヤステープをどのくらいの幅で裁断したらよいのでしょう?

「6ミリ×4倍+ゆとり」=28ミリ

この様に考えるのは非常にリスクが高いと言わざるを得ません。

パイピングに必要なデータを生地に聞く

なぜ、単純計算がリスクになるのか。
365回講座でも当店は繰り返しお伝えしています。

「生地に聞くように」

素材によって千差万別のデータがあります。生地は百枚あったら百通りの個性があります。
幅や縫い方だけで決められる要素の方が少ないと考えてください。一番有効で間違えない答えはたった一つ

成功させるために必要な情報は、いまから縫おうとしている生地に直接問うこと。
これが何よりも有効で実践的で最適な方法です。今から縫う生地と手合わせするようなつもりで、実際のデータを集めます。
 
パイピングを成功に導く超重要な情報をプレゼントします。
パイピングの出来上がり幅と素材に加えて、パイピングを縫うそれぞれのタイプによって幅を変え、テープを縫いタイプに合わせてカットする幅を決めます。

計算方法を生地と相談することで、間違いない情報を知ることができます。何事も生地と相談していくことが、完成度を上げてくれる味方になります。
こちらの動画で情報を得て、是非これからのミシンlifeにいかしてください。

パイピングはバイヤステープのセットした形になる

パイピングを成功させるために確かなデータを取ってデータを反映させたバイヤステープを作り上げたのに。
バイヤステープをきちんと折ってクセ取りもしたのに結果が悪くなってしまうという、驚きの結果になってしまいました。

中央と右側は問題のないものですが、左側のいびつな持ち上がった変形はなぜ起きたのでしょうか?
変に反ったり丸まったり、いびつに歪んでしまいました。考えるまでもなく、テープに問題があり、縫い付ける時にもトラブルになる原因があったのですが、縫う側の気持ちとし
ては何でこうなった?と驚きました。冷静に調べてみれば確かにテープに伝えた通りの結果です。
作業の時にふと見落としたことが結果にそのまま反映されるのがパイピングの難しさともいえるのかもしれません。
こちらの動画で解明します。

パイピングの計算をテープ作りの時に試す

何事も生地と相談して緻密にデータを取って行くことが、洋裁では強みになります。
洋裁は手の感覚だから、慣れれば大丈夫だ などの声もありますが、情報をデータ化することで一気に成長できるのが技術の世界です。ただ何となく、思い付きでやっていることほど失敗につながりやすいものはありません。
毎回のミシンの作業をデータ化してノートに記録し、起きたことを言語化して自分の腑に落としていくこと。
これが成長の最短の道です。
こちらの動画で、お話ししました。

パイピングを実際に行う

えぐれたカーブ

えぐれたカーブでは、カーブにテープを添わせて縫うためのことを学びます。
バイヤステープをクルクル円が描けるようになるまでアイロンで形作りその形状を壊さないように本体と縫い付ける成功率を格段に上げた縫い方です。

バイヤステープのアイロンを使うクセ取りの技術は、生地を思うままに扱えるようになる一歩です。生地の反応を楽しみながら、どこまで曲げられるか限界を見極めつつ、手と目に生地と戯れ情報をたたき込みます。

えぐれたカーブの動画マニュアルでは、スタイの紐に続くバイヤステープのステッチの縫い方もご紹介します。
6ミリのバイヤステープにステッチを縫うのは、ちょっとしたコツがあればそんなに難しいことではありません。もちろん、このような縫い方を知っていることは、多くの場面で応用できるのでスキルアップとしても身につけて損はありません。

丸いカーブ

この動画マニュアルでは、どうして失敗に至ったかを元に失敗しない縫い方など、細かくご紹介しています。
縫い付ける動画は2本になりましたが、それぞれの動画から情報をたくさん得てください。

円形のカーブをやるなら、かなりカーブの強いものがいいと何気なく始めた形でしたがやってみたら困難の連続で、パイピングを縫う難しさを再体験しました。
この動画マニュアルでは、どうして失敗に至ったかを元に失敗しない縫い方など、細かくご紹介しています。
縫い付ける動画は2本になりましたが、それぞれの動画から情報をたくさん得てください。

この動画マニュアルで最もおすすめな情報はテープのクセ取りの方法や結果、微調整などもありますがバイヤステープの中縫いをしてはぎ合せをするノウハウです。
バイヤステープを無理やりにつなぎ合わせた、凸凹の初心者っぽい縫い方から卒業して継ぎ目を感じさせないシャープな仕上がりを手に入れてください。雑貨でもお洋服でも大活躍するこの縫い方。どんな状況でもOKのノウハウにまとめてあります。

テープを縫いつけて円形を作ることは少ないかもしれないです。でも、縫う範囲が周回で戻ってくるようなデザインは、袖ぐり、衿ぐり、裾、ありとあらゆるところで使える価値の高い技術です。ぜひ手に入れてください。

ギャザーの衿ぐり「大人服」

パイピングでしかできない甘い雰囲気がより魅力をアップする、ギャザーをパイピングで包んだ形。
でもパイピングの難しさをさらに高めている危険要素も実はいっぱいあるんです。
今回の動画マニュアルでは、寄せたギャザーを寸法通りに安定して固定化するやり方をお伝えします。

ギャザーが伸びたり縮んだりする特性があります。
収縮しやすいバイヤステープで、不安定なものを固定することは全く不可能なのでギャザーを安定させるひと手間をかけて、パイピングだけに集中できる縫い方で精度を高めます。

パイピングが6ミリの出来上がり幅なのでギャザー寄せミシンを6ミリの縫い付け場所よりも細く縫わなければなりません。その辺の細かくて大変な部分を、具体的にひとつひとつ対処するやり方をお伝えする動画教材です。
パイピングで洋服を創るときにものすごく苦労するのが、スタートとゴールの左右の部分です。
表側の幅や角度などももちろんですが裏側から見ても左右が同じ顔で同じ表情で縫えると、クオリティーの高さを感じてもらえます。

見た目にもすっきり縫えると、自信がつきます。
プロでも難しい部分を、詳しく解説してわかりやすい方法を伝授します。

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