衿をカッコ良く作る、表衿を裏衿よりもズラして縫うコツは、ずばり被り分にあります。
こんにちは。
「ずぼらでもパリコレの縫えるヒミツ」小川タカコです。
”洋裁が自宅で学べる1年講座”も残すところ100回を割って、現在273回目の更新中です。
型紙の原型の構成、製図の読み方、書き方、そして衿の製図の仕方の講義も終わりました。
今は、入学式のおしゃれ着でもよくつかわれる丸衿(フラットカラー)に続き、もっとシンプルなシャツ衿の縫い方を解説中です。
人気のある丸衿(フラットカラー)でつまづいてしまった方も、シャツ衿は少し簡単なので、諦めず挑戦してください。
衿付けに重要な被り分とは何か?
洋裁では、いくつか大事にしないとならないことがあります。
その一つが、被り分量です。
短く、被り分と言います(以下、被り分と書きます)。
生地が重なった場合に、
上になるものは、下になるものよりも大きくなっていなければならない。
これが洋裁においての鉄則です。
衿も当然、この方式にしたがい、裏衿よりも表衿の方が大きくなっていなければなりません。
具体的にはどうするのかというと、表側は裏衿側に対し、2mm程度を周囲を縫う時に小さくして縫います。
この画像では、下になっているのが裏衿です。
裏衿はバイヤスに裁断して、衿の形状を出しやすくし、また表衿をいせ込むのにも、裏がバイヤスの方が簡単に出来ます。
衿が跳ねてしまう原因
衿をいせ込む目的は、衿がきちんと下側に寝て欲しいからです。
表から見て裏衿側が見えてしまうと、スッキリしていないので、全体に2mmくらい小さく縫います。
ところが、これだけでは足りません。
衿は胸の方に倒れていないと、顔の近くへと跳ね上がってきます。
似たような例で、フラップポケットがあります。
フラップポケットが翼のように上に持ち上がってしまうのは、表側の方へ被り分を入れていなかったことが原因です。
場所ごとに被り分が必要ということです。
衿の周りの1被り分+衿が折れる分の1被り分+衿が身頃から倒れる分1被り分
この様に、用途に必要な分量を各所に入れて、衿は胸元に着地してくれます。
衿は顔の近くにあるため、特に目立ち、シャープにすっきりと仕上がっているだけで既製品の雰囲気を出しやすいデザインです。
ぜひ、作品に取り入れて、存在感をひときわ輝かせてください。
衿を身頃に縫いつける時に、被り分を入れるコツがあります。
ただ何となく、
”全体が表側が小さくなればいいんでしょ”のやり方では、
衿を縫い合わせた縫い目の堅さが、衿を跳ね上げさせる原因になってしまいます。
縫い目そのものに、被り分量を加えてしまうと、
- 分散してピンポイントで必要なところに入らない
- 縫い目がゆがむ危険
などの、弊害の方が大きくなるので、身頃と見返しとで挟まれる、衿の縫い代の部分は平らな状態で縫います。
画像での赤い部分は、表と裏の衿を平らな状態にして縫うということです。
衿が跳ね上がらないためにする重要なポイント
でも、縫い目が堅いので顔の方へ衿が跳ね上がりがちになるのを防ぐために、
身頃に縫いつける時はピンポイントで○○なことをします。
強制的に被り分量を入れてしまい、衿が下側へ引っ張られて、何もしていなくても下方向におとなしく収まってくれるようにする方法です。
衿付けの理論が分かる洋裁が自宅で学べる365回講座
洋裁が自宅で学べる1年講座の272回目で、この解説を細かくしています。
この動画は、講座の講義での一部分です。
講座は、会員限定サイトへご登録し、30回ごとで区切った講義の記事を閲覧、ダウンロードしていただく方法で受講していただきます。
一年一括のお支払いと、月額払いとあります。
現在は 一括59,760円 月額は5,980円です。
一括でお支払いいただいた方には、出来上がっている分の全てのパスワードをお渡しします。
知りたいところから学ぶことも可能です。
ただ、どこから見ても初歩の方が理解できるようには作ってないので、順序良く学ばれることをお勧めしますが。
洋裁は、見よう見真似ではなく、理論が分かってこそ上達のスピードが違う
型紙や製図の方法とかが理解できて、服の構造を知って、縫うと仕上がりはじきに断然違ったものになっていきます。
洋裁学校で原型や、型紙の勉強をした人の縫いと、しなかった人の縫いは一見何ら変わらないし、仕上がりにも違いは歴然と現れるなんて魔法はありません。
一見代わり映えがしないのですが、
型紙がどのようにして計算され、パターンとなって裁断するものになるのか、書けなくてもいいから理解しているだけで、洋裁の技術を飲み込む速さが変わってきます。
つまり、型紙がなぜそのような曲線をしているのかの意味を理解する事で
縫い方だけを習うよりも、学習のスピードが上がるからです。
何故なら、構造を理解しているので、どうしてそうしなければならないのかが分かっているからです。
自宅で学べる1年講座では、学校のように級友と話したり、直接の実践がない代わりに、繰り返し何度でも観れる、手元を写した動画をテキストで洋裁を教えています。
それに加えて、型紙を知って貰うことにも重要だと感じました。
どうしてその必要があるのか、被り分がなぜ必要になるのかを理解して正しく覚えてもらいたいと思いました。
洋裁は積み木なので、一つを覚えるといろんな場面で応用が可能
ミシンは踏めば動きますが、真っすぐ縫うのはコツが要ります。
洋裁も同じで、型紙と合わせて正しく理解したなら、同じ場面だけでなく、様々な場面での応用が生かせます。
また、上手くいかない時に消去法で原因を探るためにも、理論は欠かせません。
理論に触れるためにも、型紙がなぜそういう形をしているのかを、軽く知っているだけでも全く世界観は変わります。
洋裁が自宅で学べる365回講座の目的は、単にミシンが上手になるのではなく、服作りとしての理解を深めてもらいたいので、原型の書き方、製図の仕方も講義しています。
洋裁が自宅で学べる365回講座へのよくあるご質問は、こちらにまとめてあります。
洋裁は奥の深い世界なので、270回を超えても、まだまだ教えたらないことだらけです。
その少ない回数の中に、型紙を教えることを取り入れました。
表面的な縫い方指導では、意味が通じにくいからです。
270回のシャツ衿では、被り分量の必要性をより深くお話しています。
「被り分」の言葉が出るのは、講座でもとても早い時期からですが、やっと被り分量の深い意味合いについて270回を超えて語ることが出来た思いがあり、ほっとしています。
対面でもない、言葉を交わすわけでもなく、見えない相手に対し講義を続けるので、海に石を放つような感じですが、それでもここまで語りつくせている感は大きくあります。
残り100回弱を、台衿に費やしてからのスカートで良いのか、それともスカートへサクサク進んで、ファスナー付けを少しでも深く掘り下げるべきなのか。
非常に悩ましいところです。
ダーツの縫い方、ウエストの寸法出しの仕方など、必要な回数でちゃんと教えたいし。
うーん。。。
とりあえず、悩みは別として。
洋裁が自宅で学べる365回講座は、もう少し更新が進んだら、月額 6980円になります。
一括は79800円に。
講座の365回分が完成したら、月額 9800円になります。
一括は99,800円になります。
これでも安すぎる料金ですが、広く洋裁にご興味ある方にお力になりたいので、精いっぱい頑張っていきます。
皆さんのハンドメイドの世界が、もっともっと輝くものになりますように。
お申し込みは ko-zano88@nuitai.net こちらにメールをくださいませ。
お振込先など、ご案内させていただきます。
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