原型から作図が読み取れると製図ができなくても縫うのが上達する

原型を書く時 型紙

こんにちは。「ずぼらでパリコレ」洋裁が自宅で学べる365回講座の小川タカコです。

洋裁が自宅で学べる365回講座は、366頁のPDFと420回を超える動画で、洋裁の基礎になる一番重要な裁断の方法、ミシンの縫い方をお伝えし、洋裁初心者の方でも本格的な衿付きシャツやジャケットが縫えるお手伝いをする講座です。

洋裁は奥の深い技術なので、ノウハウだけではなかなか上手になれません。

洋裁は型紙を生地に乗せて、裁断することから始まります。

型紙への基本的な知識があることは当然ですが、型紙から創作するための情報を得て、型紙をきちんと処理してあげることで、ミシンの作業に負担がかからなくなり、作るのが楽になります。

何時もすごく大変な思いをして縫っているあなたは、型紙や裁断などミシンを踏む前の処理が出来てないから、縫う時に苦しいのかもしれません。

型紙とは何ぞや

今回は囲み作図と原型との違いについて、前回の「囲み作図を知ると数字がびっしり書かれた原型から製図も可能に」の続きです。

囲み作図と原型の書き方の違いを、画像で具体的にみながら、メリットとデメリットを知っていただけたら幸いです。

囲み作図とは、数字を枠からいきなり入れて、書き出す製図方法です。

前回の記事でもご紹介したこの画像は、囲み作図です。

なぜなら、いきなり数値の枠を書いたところから、デザイン線を引いてあります。

斜めの線から、いきなり袖ぐりのカーブを描いて、それでいいんかい!って思うくらいざっくりしています^^

原型を使った作図の場合

原型からの作図

このように、原型(企業ではマスターパターン)からゆとり分や着丈の長さなどを追加して書いていきます。

原型があなたのサイズでバスト寸法やウエストまでの長さなどの数値を反映したものです。
「ウエストから17cm下がった上着の長さにしましょう」と、この製図は示しています。

原型

原型を引くためには、上の画像のようにバスト寸法やウエストまでの長さ、前身頃、後ろ身頃と、大枠の線を書いていきます。

これは文化式、新文化式、ドレメ、バンタンなど色んな原型の出し方がありますが、どこも書き方は同じです。
上の画像で、黒線が最初に書く線、ブルーで定規を当てて書こうとしている線が、大枠から数値に基づいて書き足していく線です。

原型も囲み作図も同じように、枠を書いて、そこから数値を測って、ポイントを印し、それをカーブの定規で滑らかな線にしていきます。

 

原型から書く作図は自分のゆとりで着心地が全然違う

初心者はデザイナーさんのような優れた創作になるカーブは引けないですが、サイズが自分サイズですし、ゆとりも欲しいところに自分流に足せるので、市販品よりも着心地はずっと良くなります。

また、アパレルメーカーの原価計算をした値段の範囲内の生地は、販売価格に儲けを入れたものになります。
あなたが自分で作図して、縫製も自分でおやりになる場合は、生地は自分が買える金額で選べます。

舶来品のお洋服は、素材がそれほどでなくとも目玉が飛び出るほど高いですが、生地だけならば、お洋服を買うよりもずっとお安いです。

作図

赤い線が原型です。

作図

→に2.5cm行ったところを直角に4cm下がれと指示しています。

矢印は方向で、数字は矢印からどのくらい離すのかの数字です。

 

 

 

作図

 

前身頃の肩の延長線上で、2cm伸ばして

2.5cmと4cmの角とカーブでつないで、袖ぐり線になります。

袖ぐり線を引くために、本当はもう少し細かい数字があり、ポイントをつなげるので、あまり心配しないで下さいね。

作図の見方が分かり、書くための順序さえ会得すれば、あなたも自分の好きなデザインの作図が出来るようになれます。

 

 

矢印の方に書いてある数字を印をして、印したところから、書いてある→方向の数字を測って、ポイントを作っていくだけです。
それほど難しいことでなく、本を参考にしながら原型も書くことができます。

型紙展開図 前

型紙展開図

切り開き図などは、折り紙のように考えればいいだけです。
赤い点線が畳まれたところで、ダーツのように開いたところが、ゆとり分の切り開かれたところです。

畳む数字も、切り開く数字も書いてあるのに従って、順々にやっていけば、製図は完成します。

もちろん製図が終わったからと言って、着た時に問題がない製図になったとは言えないので、シーチングなど生地の折り目がはっきりは分かる素材で、試し縫いをして間違ったところがないかを確認する必要はありますが。

 

原型はミスが起きやすい

間違ったところを確認するといっても、

原型は

バストを2で割って、ゆとりが4cm等、非常に数値の割りだし方が細かくて、計算を間違えると全部が台無しになってしまいます。
原型が間違っていたら、元も子もありませんよね。

洋裁が自宅で学べる365回講座で原型の書き方を取り上げたのは、私がオーダーメイドでお客様サイズの原型を何度も書いていた時に、ミスが起きやすかったのです。

何度計算して書いても、原型でミスって、また書き直すことが何度もあって、ミスを起こさない方法で書けばいいじゃないかと、原型を書くための準備を熱心にしました。

洋裁が自宅で学べる365回講座では、初心者の方が作図ができるようになっていただきたいので、ミスが起きない作図のための準備の方法をお伝えしました。

作図の基礎的なミスを起こさない方法さえ知ってしまえば、デザインの本に書いてある製図方法も読み取ることができます。
読みとれることが上手になっていくと、縫うための工程もだんだん頭の中でイメージが分かってきます。

作図を見ても何が何だかわかんないけど、縫い方のイラストがあるから、その方法が出来ると思ったのに、全然思ったように縫えないとお嘆きのあなた。

イラストは、地図で言うなら、目印になる看板のようなものです。
目印の看板の順序だけ覚えても、そう簡単に目的の場所にたどり着けないから、カーナビも優秀なものに発展しています。
車は運転すれば、いつかは目的の場所につけるかもしれないですが、洋裁はイラストの図になるまで、途中経過が抜け落ちているから、迷子になります。

またイラストそのものが間違っている場合だって、実はあります。
型紙が書けるようになる前に、型紙を読めることが、縫うためには重要です。

あなたもミシンlifeが今以上に、もっと自由に羽ばたける翼の糧になってくれたらと、祈りながら記事を書いています。
あなたの努力や丁寧さ、熱心な時間が、有意義なものになりますように。

型紙についてだけでも、あなたには知ってもらいたいので、型紙分野だけを抜いた商品を作りました。
金額以上に得るものがあります。

ご一考くださいませ。

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