型紙をカンタン、正確に左右対象にする方法 1

洋裁 ▼型紙について

こんにちは。「ずぼらでパリコレ」洋裁が自宅で学べる365回講座の小川タカコです。

型紙をどのようにしたら、簡単かつ狂わせずに、また快適に写せるのかについての3回目になります。

1 型紙をあっという間にシャープに写し取る方法

2 型紙をあっという間に写して、縫い代のカーブも滑らかに書く方法

上記をご覧になってから、こちらの情報を見てください。
途中からでもわかるように書いてないので、ご注意くださいませ。

型紙を写すのが面倒になる理由

型紙を写すのをやりたくない理由として、大きい紙がないとうのは多少はあるかもしれないですが、

実際は、写し方が良くわからないとか、左右対称にするのがずれるから嫌がってしまうことが多いのではないでしょうか。

 

相手が紙だけに、ズレを如実に感じて、不愉快にもなるのかもしれません。

2枚が上手く縫い合わせられないと、服を作るのはすごく大変に感じてしまいますよね。

2枚が実は、微妙に合ってないから、縫っても合わせられないこともありますし

また、そもそも2枚がぴったり同じ寸法になってなくて、ズレてるかどうかもわからないまま進めた結果、どうにもならないところへ突っ込んでいってしまうことだってあります

このような負のスパイラルに陥りやすいのが、洋裁の大変だと感じられてしまうのでしょう。

 

型紙の段階から、合ってない

裁断に至るまでの段階が整ってない場合は、失敗に至らずとも、工程でかなり苦労を余儀なくされてしまいます。

ミシンの前に座るよりも前に、やっておく大事なことをやらないと、よりミシンでの苦労を大きくしてしまうことになるからです

つまり、服を作るまでいかないうちに、落とし穴を盛大に知らずに掘っているともいえます。

裁断を知らない人が切ったものを、完全な形にするのは熟練者でも不可能です。
基盤工事をしないで、家を建てることが出来ないのと同じで、裁断は服を作るうえで欠かせない大事な要素が沢山あるからです。

 

型紙と裁断の工程は、服作りでも、雑貨にしても、重要な作業ですが、あまり知られていないため、知らずにスパイラルに陥っている方も多いのではないでしょうか。

服を作るために、必要な型紙の知識と、裁断の知識

型紙を、左右が対象になるように作るのは、実はとっても簡単です。

大きな紙に、型紙の中心線をどこに持って来たら、写したい型紙の全部が入るのかを確認します。
この中心を入るかどうか確認しないでやると、どこかしら欠けたりして、ガックリしてしまったりしますので注意してください。

合印の入れ方、写し方は、動画でご覧ください。

※カーボンの紙がかすれ気味で、良く写らないと思っていたら、袖とかの合印はシャーペンで入れてました(-“-;A …アセアセ

買いたての新しいカーボンは濃くて、威力があります。
私の動画のカーボンは長く使ったものなので、カーボンは薄めにしか付きません。

カーボンの使用度で写す線の濃さに差が出るので、頭に入れて動画をご覧になってください。

型紙に縫い代をつけず、裁断の時に縫い代をつけることのデメリット

裁断用の型紙に縫い代をつけずに、印をしたり、チャコで書いたりなどして、生地を裁断するデメリットについて書きます。

結論を書くと、出来上がりの線が曖昧になると完成度が低下します。

悲しいことに完成度の下がり方は非常に極端で、作品の表情にもそれが感じられるほどになってしまいます。

質の低下する原因は、明確です。

縫い代が計算されたものではないために、ズレて縫われても気が付きにくいからです。

ぴったりの寸法で作られた型紙で、2枚が同じ寸法で正確に裁断するメリットとして
縫いはじめと縫い終わりにずれが出たとき、1ミリでも2ミリでも気が付ける、状況把握が容易いことです。

どのように縫い合わせたか、ミシンの状態を把握することが大事だからです。

縫い代の幅を正確に生地に書いて、その線を丁寧に切るとしても、紙に細いシャーペンで書くほど正確ではありません。

1mm、2mmなんて、縫ってる中で当たり前に生じてしまう誤差なんだから、気にする方がおかしい。

そう思う人もいるでしょうね。ところが、どっこいで、曖昧さが作品のゆがみや、品質に大きく影を落としてしまいます。

型紙を正確に作ると、楽に美しい感性を手に入れることが出来ます。

ミシン

型紙の通りに裁断したものを縫い合わせること

ごく一般的な、ミシンの作業を想像してください。

まず2枚の生地を縫い合わせるところから始まりますね。

その2枚に衿が付いたり、ギャザーを寄せたのをつけたり、レースを挟んだり、ベルトをつけたり。
様々な工程があって、最終的に服として着られる形まで、完成させていきます。

最初に2枚を縫い合わせるのと、最後の衿つけの細かな作業をするのと、どっちが簡単でしょうか?

 

  1. 2枚を最初に縫い合わせるとき
  2. パイピングのステッチで裏側と表側と一緒にキレイに縫おうとしているとき
  3. ファスナーのステッチをかけるとき
  4. ベルトを縫い上げるとき

1~4のなかで、2枚の生地を単純に縫い合わせるだけが、一番簡単ですよね。

つまり、2枚を縫い合わせするだけの簡単な作業の間に、トラブルになる小さい芽を発見することを積み重ねていくと、大事なところでも迷子になりにくいのです。

正確に2枚が縫い合わせることに神経を繊細に集中し、素材からの情報やシグナルを読み取ると、上手くいく確率が高くなります。

不確定要素を少なくするためにも、正確な型紙を使う

ミシンのその時の調子もありますよね。
昨日までは出来ていたのに、今日はどうしても調子が出ないとか、あるでしょ?

生地とミシンの相性もある。堅くなったら縫いにくいとか、あるじゃないですか。
あなたと生地との相性が合うかどうかも当然あります。

この生地と自分の相性というのは、プロになっても訓練でどうにかしていく部分で、相性そのものは変わらず、苦手なものは苦手だったりします。

もちろん、たくさんやるうちに大好きになって、相性が逆転したということもありますが、それはそれとして、やっぱり相性はあります。

不特定な要素がたくさんあるのが、服作りです。

だから、定規と鉛筆で正確に出来る型紙作りを、きっちり確実に作業をすると、お得なことが多くなります。

完成された型紙で作業を行うメリット

2枚を縫い合わせる最初の作業で、2mmのズレが出てしまう状況と仮定しましょう。

(自分の縫い方に問題があるのかな?)
ほどいて2枚の大きさを確認しても、それほど大きさに問題がなく、ぴったりなのが確認できて、縫い直しをしてみます。

ズレるのを気を付けて縫ったはずだけど、やっぱり2mm、3mmずれています。

(おかしい…)
針痕の傷が気になる素材でもあるし、何度も縫い直せない状況でもあり、脇縫いだったらどうにかなるから、そのまま進めます。

パイピングやベルト、カフスなど難しい工程に入っていくと、更に縫う時にズレが感じようになってきました。

 

ここで、
(やっぱり、縫うときの下側の生地が、自分の想定よりも進んでしまいやすい生地なんだ)と、判断できます。

もしくは(自分の今日の調子が、どうも下側を引っ張れてないのかもしれない)と気付くこともできます。

 

でも、難しくなっていくまでの工程で、下側の生地が自分の想定よりも進んでいる意識があったから、いつも以上に下側が進まないように手で押さえて縫うことを集中して対処をしています。

ベルトやパイピングの時は、ズレさせない意識をもっと強く、どう対処したらいいのか工夫する対策を必死で考えることが出来ます。

対策が良好に働いた結果、出来上がりがねじれないで縫うことが出来、パイピングやベルトの裏側が縫い目から外れることもなく作れて、完成しました。

 

型紙をきちんと作ることで、生地との会話も可能になります

服を作る(縫う)というのは、このように、素材になった生地と会話する作業なのです。

生地

「下側の子が先に行っちゃうよ~~!」

「上の子と手をつなげなくて、ずっと後ろの子とつながっちゃったよ~」

生地の織り糸に注目すると、手をつなぎたい相手と繋がれているかどうか、ハッキリわかります。
そういう生地が発するかすかな声を、聞きとるアンテナを敏感にして縫う作業に集中すると、上手くミシンが扱えるようになります。

その結果、最後の完成を前にした、最大に困難な作業の時には、その素材への対処法が自分の中に出来上がってることが望ましいわけですね。

この繰り返しをすることで、腕が上達していきます。

服を作るというのは、情報量を整理整頓し、いつでも引き出せるようになっていることで、以前にやったことの応用が即戦力として使えるかどうかだからです。

型紙をきちんとするのに慣れると、試し縫いも、同じ寸法で行うクセが付く

プロは生地からの声なき声をいち早く聞き取り、その為の対処するために、服を縫い始める前に、裁断の残り生地で試し縫いをします。

単に残った生地で適当に縫うのではなく、きっちり同じ大きさにしたものを縫い合わせて、試験をします。

  1. ズレがでやすくないか、
  2. 糸調子と生地が悪くないか
  3. 糸が変に引っ張られたり、針がおかしく働いてないか

その他の出来上がりまでのデザインに応じて、必要な細かいチェックをします。

ぶっつけ本番で、大事な衣装を縫うのは危険なので、ある程度の経験をするとその怖さを痛感し、いきなりぶっつけ本番はやらなくなります。

ですが、アトリエでは本人が自分で気が付くまで許すようなまだるっこしいことはしませんから、徹底的にたたき込まれるのがプロの第一歩です。
しつけが厳しいのは、生地は傷を負ったら修復する方法がないので、どうしようもない事ですが、叩き込まれる厳しさには泣かされます。

とはいえ、やっちゃうんですよねぇ…。

これは、性格が多い気関係する部分なので、やらない人は絶対にやらないし
やっちゃいがちな人は、いつまでもやっちゃう性質があるわけです。

お分かりだと思いますが、私は後者に属します。

  1. 試し縫いは絶対にした方が良い。
  2. そして本番(服にする素材)を1本縫ったら、それを上から下まで、裏も表も確認すること。

私はこれだけはどんな時も、必ずするようになまで暫らくかかりましたが、欠かさずにするようになりました。

洋裁が自宅で学べる365回講座の動画でも、縫った部分を引き戻して、先に縫うよりもすぐに確認するところを幾度も解説しています。

なぜなら、めんどうな場所まで問題を引きずって、大きなトラブルを作らないためにも、縫った状態を把握していることが大事だからです。

問題のまま作業を進めると、にっちもさっちも行かなくなる、お手上げの迷子になったりしやすい。

最初に対処を考えるために、しつこく状況を確認する必要があります。

しかし、確認するにもそもそもが正確でなかったら、判断しようもありません。

人間は意識せずとも、自分のやったことを正当化したいから、自分のやった作業は見た目以上に良く見えて、OKを出しやすい生き物です。

自分を疑ってかかるのは、意識を強く持たないとならないので、疲れてしまいます。
だから、小さな問題をすぐに把握し、意識するためにも、裁断がしっかりしていることが大事になります。

型紙のカーブを、キレイに均等な幅で切るのも、結局は作品の完成を美しくするために必要なことです。

完成を美しくするというのは、分かりにくいかもしれません。
カーブがキレイに裁断されているから負担がなく縫え、出来上がりがいつもよりもキレイになると言えば分かり易いでしょうか。

型紙がしっかりしているからこそ、ほどいても傷を最小限に防げる

縫ったりほどいたりしていけばいくほど、ぐちゃぐちゃになっていきます。
どんどんお手上げになってしまいパニックにも陥りますよね(>_<)

福音になるのが、正確な型紙と、精密な裁断です。

 

しっかり生地を正確に切ってあるからこそ、ほどいてもそれほど崩れないでいてくれます。

型紙がきちんとしてて、裁断もちゃんとしてるから、ほどいても安心できます。
安心できる基盤があるから、縫っただけほどいてもいいんです。

 

なぜ、安心なのかというと、生地の縦と横がきっちり通してあって、型紙の通りに裁断してあると、生地が崩れてきて元の形が分かるからです。

ほどくと生地は傷むし、崩れる場所もあるんですね。
でも、正確な型紙だったら、崩れた範囲を理解して、正しい出来上がり線の場所を見失わないですみます。

最初がぐちゃぐちゃだと、縦も横も狂っているので、パニックは時間の問題です。

  1. 型紙も処理をしてない
  2. 裁断がぐちゃぐちゃ
  3. ほどいたり縫ったり、迷子の迷走
  4. 出来上がり線がどこなのか、見失ってしまう

この状況でキレイに完成させるのって、すごく大変なんです…。

完成度を上げるためにこそ、型紙でやれることを全部行う

車のドライブナビは、なぜ持つのでしょう?道が分かるだけなら地図でいいじゃないですか?
「リアルに、今どこにいるかわかる」からですよね。

何処にいるかわかると?
「右に行くのか、左に行くのか、直進なのか、分かる」

だから?
「到達地までの距離と方向と、道順がいっぺんに手に入る、それがナビ」

服を作るのも、ナビがあったらどんなにいいでしょう♪
でも、それは無理ですよね。衛星は、服を作るのに働いてくれないですもの。
しかもファッションは創造の世界ですから、正しいかどうかの判断はあなた自身にしか分かりません。

だから、道順を型紙に書き込んで、完成された地図のような型紙で服を作ろう!という話が今回のお題です。

動画は、出来るだけ丁寧に分かり易く撮ってます。

説明もいれました。
が、足が床に付けないので、重心が取りにくく、頭が入ったりしてごめんなさい。

 

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