こんにちは。洋裁が自宅で学べる365回講座の小川タカコです。
洋裁が自宅で学べる365回講座のPDFファイル書き直しで、少し更新が止まっておりましたが、14~30回までの見直しを残すところまでとなり、講義の再開を始めています。
ダーツを攻略する方法
ダーツは縫うのはそれほど難しくはないのですが、先端の部分が凹んでしまったり、糸調子が酷くなったりしやすく、トラブルが起こりやすい場所です。
ダーツを縫うのはダサく感じたりして、文化服装学院に通っていた若い時期は、ヨウジヤマモトのようなスタイルに強く憧れていました。
ダーツの入った、オフィスレディーな感じのシャツをなんだか古臭く感じたりもしたものでした。
ところがダーツがないと、服はラインを作ることが出来ません。
ダーツをどのように型紙の上で展開して、生地に反映させないような工夫をするかということろは、デザイナーさんやパタンナーさんにお任せするとして。
ダーツを使った作品は簡単にクオリティを上げることが出来ます。
ダーツを使った服は、デザイン的には以前からあるスタンスに近くなります。
しかし、ダーツは縫う側にとって、簡単に「クオリティの高いオーダー品」の感覚を作品に取り入れられる方法が、ダーツを効果的に使った服なのです。
ダーツは上の画像でもわかるように、丸い人間の曲線へ向けて縫い目を消していく技法です。
ポイントになる丸い場所へ縫い目を徐々に細くしながら、最後は平らな状態に馴染ませ、縫い目があることも感じさせないように、周りの生地との一体感を持たせます。
ダーツで起こるトラブル
先端で縫い目があったことを感じさせないように、縫い目を平らに消していくのがダーツの縫い方なのですが、トラブルも多く発生しやすいのがダーツです。
縫いはじめのところからズレやすい
ダーツの分量と出来上がり分量が合わなくなる
ダーツの先端部分が消えず、エクボになる(凹んでしまうことを、「エクボになってる」と言い、品質の悪さ示します)
ダーツの先端部分の返し縫いがすっきり縫えない
ダーツの形が、服と調和しない
などなど、ダーツにまつわるトラブルは枚挙にいとまがありません。
ダーツが嫌いな方も多い事でしょう。
ダーツは服を立体的に見せる重要な縫い
ダーツを服に活かすことで、大量生産とは違う、吊るしではない心のこもったオーダーメイドの雰囲気を簡単に作り出すことが出来ますが、ダーツには危険な落とし穴が多くあります。
縫い方が悪いとダーツが服と調和しないこともあります。
ダーツがデザイン的に合わないということではなく、ダーツが縫い方が悪いせいで服の中で浮き上がってしまい、調和を乱してしまうことがあるからです。
中央側のダーツが引き攣れて溜まっているし、ダーツの縫い代が何故か脇に倒れていますが、本当は中央に倒すべきです。
ダーツの縫い代を逆に倒したからなのかどうかは分かりませんが、
ダーツの折れた山の縫い代が足らずに、ウエストラインがダーツの縫い代の折り山のところ持ち上がっています。
ダーツだけ尖って見えたり、ダーツの縫いがねじれていたりすると、ダーツの部分がひび割れているように見えます。
例えば、下の画像のバストの横の英字の柄にご注目ください。
ダーツが縫われて、英字の柄が傾いて削られているでしょう?
バストの先端のダーツは、それほど上手に消えているようには見えないですが、凹んではいませんよね?
ダーツはこのように、しぐさの中でも目立つ位置に来ることが多いため、神経を最大限に高めて縫わなければ服が台無しになりかねません。
スカートの部分でも、ひじの下の斜め前に、ダーツがウエストを際立たせて、ヒップラインへ広がりを見せるために、有効に使われています。
ダーツはこのように、服を立体的に作り上げるために、重要で欠かせない縫い方です。
ダーツは尖った先端の縫いが難しい
ダーツを縫うのは、けっこう難しいものです。
何故ならば、ダーツの細くとがった先端を如何にクリアするかが、縫いの技術であるからです。
ここでダーツがどうして縫いにくいのか、動画で説明いたしますね。
ダーツの先端をどのように尖らせ、その先の平らな生地に縫いの気配を完全に0に消させていくかが、美しさになります。
- 先端のごくわずかな織り糸を針で貫き、
- 手でミシン糸を縛って、
- 手縫いでミシン糸を縫った生地の中に埋め込むという方法もあります。
この方法では、手間暇がかかること、縫い目がほどけてくる危険の2点で不安が残ります。
しかも、ダーツの先端が凹む心配は残ったままなので、抜本的な解決には程遠く、実践的ではありません。
ダーツの先端から返し縫いをすると、より強く引っ張られやすい、返し縫いの構造上の問題が出やすくトラブルが大発生します。
こんな風に糸が絡まった結果、右側のようにダーツの先端が分厚くなってしまいます。
ダーツを先端から縫った右側のダーツは、縫い目が塊になったせいで、分厚い折れ山になっていて、ダートの先端とは呼べないようなゴロゴロした状態です。
先端の細いところから返し縫いをすると、針が生地から外れてしまうことがあるため、糸団子が起きて、右側のようになります。
逆方向から縫って、先端の返し縫いをそれほど負担をかけてない左側のダーツも、ダーツの先端がペコっと凹んでいます。
これを「ダーツのエクボ」と言い、良質じゃない言われ方で使われます。
ダーツの完全攻略法は原因を取り除けば、誰でも簡単にできます
ダーツのエクボと呼ばれる悪しき結果に、絶対にならないダーツを制覇できる簡単な縫い方があります。
洋裁が自宅で学べる365回講座の最後の教材では、ダーツの完全攻略法を伝授します。
ダーツが凹んでしまうのは、先端がミシンの縫いで縮まるからなのです。
返し縫いは、ミシンの糸が前後逆方向に行ったり来たりするため、生地が引っ張られて縮みます。
そのせいで、ダーツの細い先端部分が繊細に反応して、表面にも影響が出てしまうのが、「エクボ(凹み)」になってしまいます。
このダーツの特性に対し、誰でもできて全く失敗しない方法があります。
ミシンを扱えない人でも、超簡単にできちゃう方法は、オーダーメイドの熟練の方から習った方法で、学校では知る人は少ないかもしれません。
ダーツの上と下の生地がねじれて縫えてしまうとか、
ダーツの先端までの距離を真っすぐ縫うのが揺れてしまう、
このような心配のある方でも、私のやり方では全く問題はありません。
また、ダーツは場所によって人間の丸い体に添わせるために、直線でない方が美しく形になります。
より服を立体的にするために、ダーツにわずかなカーブをつけた縫い方をした方が、柔らかく服の一部に協和してくれるからです。
ところがダーツな先端まで尖らせるのに、わずかなカーブを入れるなど細工がしづらく、より苦労してしまいがちです。
理想のカーブを完璧に何度でも、何の気負いもなく縫える方法があります。
美しく映えるドレスの、ダーツがゴツゴツ転がっていたら、萎えてしまいますよね。
生地の美しさもへたって見えてしまいかねません。
洋裁が自宅で学べる365回講座の最後の教材は、タイトスカートです。
ダーツを8本入れた大人タイトスカートです。
後ろにベンツを入れたオーソドックスなスタイルで型紙の書き方から解説します。
今回はその中の動画解説の一部分を抜粋し、失敗するダーツの縫い方と美しいアイロンのかけ方を公開します。
洋裁が自宅で学べる365回講座では、アイロンの使い方を何度も繰り返し解説しています。
受講してくださっている方は、最初にアイロンのかけ方でお教えしている部分なので、見飽きているかもしれないくらいですね。
しかし、洋裁はアイロンが仕上がりの決め手を握っているため、欠かせない作業ですので、毎回アイロンの登場の度に、その時に注意することをまた繰り返し丁寧にお伝えしています。
動画では、失敗する理由など詳しく述べていますが、成功させるためのキモの部分は講義になるので削除し、動画が画像のま固定しているところがあります。
ただ、アイロンのかけ方など参考になる部分はたくさんあるので、ぜひ参考になさってくださいね。
ダーツのアイロンが上手にかけるtことが出来ても、ダールの折り山が表側の何でもないところに、ダーツの折山が線になってしまい傷がついて、繊細な生地だと致命傷になることもあります。
ダーツは縫う時のコツ、アイロンの時のコツ、両方に欠かせないコツがあるので、知識を広げていただけたら幸いです。
この記事を読んだ方にはこんな記事もおすすめです!
この記事のつづきはコチラです
アイロンのかけ方についての関連記事はこちらです。
コメント